賃貸物件には、賃貸経営中に発生する「修繕リスク」があります。築年数を重ねると建物は老朽化するもの。外壁・排水管・共用スペース・エアコンなど、設備には耐久年数があるため、交換や修理が必要です。リスクを軽減し適切な賃貸経営を行うために、修繕の重要性や対策を紹介します。
賃貸経営における修繕の重要性は、以下の点があります。
賃貸物件の修繕は建物の劣化を防ぎ、資産価値を長期的に高められます。もし修繕を怠れば老朽化が進み、外観も内装も建物の魅力が下がり他の賃貸物件との競争に負けてしまう可能性もあるでしょう。家賃を下げて差別化を図る手もありますが、家賃収入も減ることになります。中古物件になったとしても、メンテナンスの行き届いた物件は条件によっては新築物件との競争に勝つことも可能です。
メンテナンスの行き届いた物件は、入居者に快適な住環境を提供できます。それによって入居者の満足度を高め、稼働率の維持につながります。
空室率が下がれば長期的に安定した家賃収入の確保が見込め、家賃の下落を防ぐことも可能です。
計画的な修繕を行うことで、早期発見と早期対処が可能になります。突発的な大規模修繕を回避でき、長期的には修繕費用を抑えることにもつながるでしょう。
適切な修繕は、設備の不具合による事故や法的トラブルを予防できます。賃貸経営において適切な修繕は、物件の価値を維持するために役立ちます。
修繕リスクを軽減するためには、以下の方法があります。
これらの方法を組み合わせることで修繕リスクの軽減に繋がります。方法を掘り下げて紹介します。
国土交通省により「計画修繕ガイドブック」という資料が作成され、民間賃貸住宅の老朽化・経年劣化に対する計画的な修繕が推奨されています※1。
立地や使用している建築資材、立て方によって状態は変わりますが、屋根・外壁・共用スペース・給排水管など、修繕の目安期間を紹介しているので参考になるでしょう。修繕時期は築年数ごとにどの部分を点検するのか、目安費用はいくらか、計画を立てることが重要です。目安が分かれば、修繕費を事前に積み立てることができ、予算管理がしやすくなります。
(※1)参照元:国土交通省 民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック(https://www.mlit.go.jp/common/001231404.pdf)
賃貸住宅において、修繕リスクの管理には法的な義務が伴います。例えば、賃貸住宅の所有者には、建物の安全性を確保するために定期的な点検(法定点検)や修繕を行う責任が課されています。国や自治体が定める建築基準法や消防法などに基づき、建物の一定基準を維持することが求められます。
安全性を損なう恐れのある損壊や老朽化が発見された場合は、早急な対応が義務づけられているのです。法定点検を定期的に実施し、入居者の安全と住環境の維持に努めることは賃貸オーナーの義務と言えるでしょう。
沖縄でのマイホーム維持には、特有の気候・環境要因を踏まえた計画的な修繕・メンテナンスが欠かせません。高温多湿・塩害・台風などの影響で、屋根・外壁・内部設備などは定期的な点検・補修が必須となります。
たとえば屋根材のコロニアルやガルバリウム鋼板は、10~20年ごとの表面塗装や30~50年目での葺き替えが一般的です。外壁はサイディングやモルタル、ガルバリウム鋼板など素材で耐久年数や費用が異なり、15~30年単位での塗装・張替えを計画しましょう。コーキング部分は10年ごとの打ち替えが理想です。
参照元:リショップナビ|屋根リフォームの費用・メンテナンス時期は?主な症状やポイントも解説(https://rehome-navi.com/articles/675)
室内は10年単位でのクロス・塗り壁補修やフローリングの再塗装が目安。無垢材は初期費用が高めですが、長い目で見るとメンテナンスコストを抑えられます。シロアリ対策は5年ごとの薬剤処理が一般的で、湿気が多い沖縄では特に重要です。
参照元:リショップナビ|屋根リフォームの費用・メンテナンス時期は?主な症状やポイントも解説(https://rehome-navi.com/articles/675)
戸建てでは、マンションのような修繕積立金制度がない分、計画的な積み立てが求められます。LCC(ライフサイクルコスト)を見据え、初期費用だけでなく長期的なメンテナンス費用を考慮することで、沖縄の家を美しく快適に長持ちさせることができます。
修繕は建物の老朽化だけでなく、自然災害や事故に起因する場合もあります。修繕費用をすべてオーナー自身で賄うと考えると、かなりの運用費を用意しなければなりません。そこで、賃貸オーナー向けの保険を活用する手が考えられます。火災保険+必要に応じて保険会社ごとに設けられる特約へ加入することで、建物の修理費をカバーすることが可能です。入居者にも火災保険加入を義務付けることで、トラブルが起こった場合に修繕補償がスムーズに行えるでしょう。
厚生労働省にて、賃貸物件の計画的修繕に関する事例集が公開されています※2。
資料には物件の概要、修繕工事に至るまでの経緯、建物診断結果、修繕工事の概要、金額の内訳、長期修繕計画の内容など、細かく記載されているのが特徴。修繕箇所は外壁塗装、鉄部塗装、照明器具交換、駐輪場土間拡張、タイル拡張など、範囲はさまざま。築9年目、築11年目、築21年目など、費用と修繕内容も記載があるため、賃貸物件を購入した場合にかかる費用の目安が分かります。さらに物件のキャッシュフロー表まで記載されており、家賃収入と修繕費などの支出のバランスも参考になるでしょう。
(※1)参照元:厚生労働省_民間賃貸住宅における計画的修繕のための事例集(追補版)(https://www.mlit.go.jp/common/001414599.pdf)
賃貸物件には老朽化による修繕リスクがあり、物件価値の維持や入居者の満足度向上のため、計画的な修繕が必要です。突発的な修繕費のリスクを軽減させるために、長期修繕計画や修繕積立金の準備、法的な点検義務、賃貸オーナー向け保険を活用し、賃貸経営の安定化を図りましょう。
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