ここでは賃貸経営において、税制変更や法改正が行われた際に、どのようなリスクが想定されるかを解説。近年実施された法改正についてもご紹介。賃貸併用住宅の建設を検討されている方は、ぜひ、知識を深めておいてください。
2017年5月に成立し、2020年4月より施行されている「民法の一部を改正する法律」には、賃貸併用住宅のオーナーが留意すべき内容が含まれています。この法改正以前、賃貸物件の入居者は、借りている物件にトラブルや不具合が発生した場合でも、物件オーナーの許可なしに修理や修繕などを行うことはできないと解釈されていました。
しかし、この法改正では、入居者が不具合やトラブルを申し出て物件オーナーが何も対応してくれないという場合や切迫した事情があるという場合には、入居者が自分で修繕や修理を行っても責任を追及されないと明確化されました。もちろん賃貸物件のオーナーは物件に不具合が発生した場合には速やかに対応すべきですが、何らかの事情で対応できなかった場合は、上記の法改正が行われたことを踏まえておかなければなりません。
※参照元:【PDF】法務省|賃貸借契約に関する民法のルールが変わります(https://www.moj.go.jp/content/001399957.pdf)
例えば身内の方から相続した土地に賃貸併用住宅を建設することを検討されているという場合には、2024年4月以降、相続登記が義務化されていることに注意が必要です。それ以前、相続登記は任意でしたが、相続登記がなされないために所有者不明の土地が全国で増加。周辺環境の悪化や公共工事に支障をきたすなどの社会問題となってしまったのです。
これを受けて法改正が行われ、不動産(土地・建物)の相続人は、相続を知った日から3年以内に相続登記を行うことが義務化されました。正当な理由なく相続登記を行わなかった場合、最高で10万円の過料が課せられる可能性がありますので、くれぐれもご注意ください。
※参照元:【PDF】法務局|御存知ですか?相続登記が義務化されました(https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/content/001413776.pdf)
ハンディキャップを持つ方々に対して合理的な配慮をもとめる法律として2016年に施行されていましたが、2024年の改正は不動産業界においてもさらなる配慮が課せられる内容となっています。
例えば入居者募集広告に「障害者入居不可」と記載したり、緊急時の電話連絡ができないという理由で聴覚障害者の入居を拒否する、同居人なしの障害者の一人暮らしは無理と勝手に判断するといったことは、すべてNGとされました。入居者募集を依頼する不動産会社はもちろんですが、賃貸併用住宅のオーナーも、留意しておかなければなりません。
※参照元:内閣府|改正障害者差別解消法が施行されました(https://www.cao.go.jp/press/new_wave/20240520.html)
今回の建築基準法改正では住宅の安全性確保がより厳密化されることとなり、これまでは賃貸併用を含め延床面積500㎡以下の木造2階建て物件には築確認申請時の構造計算書提出が免除されていましたが、この法改正により、より厳格な審査プロセスが課せられることになります。
また、これまでは非住宅の中規模・大規模ビルが対象となっていた省エネ基準への適合が、木造平屋を除き、すべての新築物件に義務化。賃貸併用住宅ももちろん省エネ基準をクリアしなければならなくなります。
※参照元:【PDF】内閣府|改正建築基準法について(https://www.mlit.go.jp/common/001576404.pdf)
元々は高齢者や障害者、低所得者などを対象に民間賃貸住宅への入居支援を行うための法律として施行されていましたが、2024年に法改正が可決され、2025年10月に改正法が施行されます。今回の改正では、賃借人の死亡時に契約が終了する「終身建物賃貸借」の手続きが簡素化され、残置物の処理も入居者が事前に委託しておくことで、居住支援法人が行えるようになります。「家賃債務保証業者」を国土交通大臣が認定する新たな仕組みも誕生。
これらの改正により、従来は敬遠されがちだった高齢者など要配慮者の賃貸物件への入居が増加すると予測されています。少子高齢化が進むなか、物件オーナーとしても押さえておくべき情報と言えるでしょう。
※参照元:【PDF】国土交通省|住宅セーフティネット法が改正されます(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001882753.pdf)
宅地建物取引業法は度々改正が行われていますが、2025年の改正は、賃貸併用物件のオーナーが将来、物件を売却しようとする場合に大きく影響する内容となっています。それは「囲い込み」を禁止するというもの。
「囲い込み」とは不動産物件を売買する際、宅地建物取引業者が売主と買主の双方と媒介契約を締結し、双方から手数料を得ることを実現するために行われてきた手口。事実に反して指定流通機構(レインズ)への登録を差し止め、自社のみで購入者を探すというやり方。当然ながら売主にとっては売却するチャンスが減少することになります。こうした売主の不利益を解消するため、レインズで登録することが法律上義務付けられました。将来的に賃貸併用住宅を売却する際、悪徳業者に騙されるリスクが軽減されたことになります。
以上の通り、法改正や税制変更というものは不動産ビジネスや賃貸経営に大きな影響をもたらす可能性が高く、今後どのような改正や変更が行われるか、賃貸併用住宅のオーナーは常にアンテナを張っておく必要があります。
とは言え、一般人にとって法改正や税制変更の内容を正確に判断することは難しく、誤った判断を下してしまう可能性もありえます。万全を期すためには、その道の専門家である司法書士や税理士への相談が賢明。ちなみに、賃貸併用住宅の建築を手掛ける住宅会社のなかには、地元の司法書士事務所や税理士事務所と連携しているところもありますので、検討してみてください。
賃貸併用住宅を建てた後、経営のサポートを受けたい方は、ご検討のうえ問い合わせてみてはいかがでしょうか。
このメディアでは、賃貸併用住宅に対する考え方や要望、建てた後の暮らしにあわせて、それぞれ適した沖縄の住宅会社を紹介しています。
どの会社で賃貸併用住宅を建てようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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