沖縄の家では暴風・台風対策が必須

沖縄では台風・暴風対策が必須

沖縄は「台風の通り道」と言われることもあり、強風や豪雨の被害が大きいことから、住宅には台風対策が不可欠です。このページでは、沖縄における台風および暴風の脅威や、具体的な台風・暴風対策方法などを紹介しています。

沖縄における台風・暴風の脅威

沖縄はその地理的特性から、台風の影響を受けやすい地域です。気象庁の統計によれば、1951年から2023年までの期間において、台風の発生数は平年値で約25、沖縄県への接近数は約7.7（1991〜2020年）とされています。特に7月〜9月にかけて台風の接近が多く、8月の頻度が高い月となっています^※1。また、その被害は甚大であり、例えば、2003年の台風14号では最大瞬間風速74.1メートルを記録し、死者や家屋の一部破損、全半壊などの被害が報告されています。^※2

※参照元 1：気象庁／台風の発生数と沖縄県への接近数(1951年～2023年)【PDF】( https://www.jma-net.go.jp/okinawa/data/toukei/pdf/hassei_sekkin.pdf)

※参照元 2：NHKアーカイブス／2003年 台風14号(https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0026010482_00000)

なぜ沖縄の住宅に台風・暴風対策が必要か

前述の通り、沖縄の住宅には台風・暴風対策が必須です。台風が接近した場合、強風や豪雨、高潮を伴うことが予想されるからです。具体的な被害例として、屋根瓦の飛散、窓ガラスの破損、浸水、ブロック塀の倒壊があり、これらが原因で人命や財産が危険にさらされます。また、風速40mを超える暴風が頻発すると、電柱が倒れ、長時間の停電や通信障害も発生しやすくなります。さらに、サトウキビがなぎ倒されるといった農作物への被害も、よくニュースで取り上げられます。

具体的な台風・暴風対策方法

沖縄の厳しい気候条件下でも安全で快適な住環境を維持するため、以下のような対策が挙げられます。

強化ガラスやシャッター、雨戸の設置

強風はもちろん、飛来物から窓ガラスを守るため、通常より厚い5mm以上の単板ガラスを設置するとよいでしょう。シャッターや雨戸を設置して物理的に備える方法もあります。また、隙間から水が入らないようにするために、気密性を高めるダブルロックや、耐風圧性が高い沖縄仕様のアルミサッシも使用されているようです。

停電・断水への備え

沖縄では断水対策として屋上に貯水タンクを設置している光景がよく見られます。最近は、エコキュートなどの貯水機能のついた給湯器も普及してきています。いざというときの水タンクの代用にもなり、節電・節水機能も期待できるため、備えとして導入するのもよいでしょう。また、停電に対しては太陽光と蓄電池を導入することで、電気代節約に加えて災害時の備えにもなります。

軒やバルコニーの形状工夫

軒やバルコニーの形状は、台風時の雨風の流れを考慮し、風の抵抗を少なくするよう設計することが重要です。沖縄では南側に低い軒やアマハジと呼ばれる庇を設置することで、強風や雨風対策だけでなく日差し対策にもなる伝統的な建築方法があります。

屋根や外壁の耐久性強化

外壁には耐風圧性の高い材料を使用し、建物全体の耐久性を高めるとよいでしょう。屋根には強風に耐えられる瓦などの屋根材がおすすめです。屋根の形として、沖縄の伝統的な寄棟屋根や陸屋根（平らな屋根）は、強風を受け流しやすく、風の影響を受けにくいことで知られています。

屋敷林と石垣の活用

沖縄の伝統的な住宅では、敷地周囲に石垣を築き、その内側に防風林としてフクギなどの常緑樹を植えることで、台風時の強風や飛来物から家屋を守る工夫がされています。現代では、コンクリート製のブロック塀で、台風対策だけでなく、陽射しや塩害にも考慮された花ブロックを設置している家もあります。

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