沖縄で賃貸併用住宅を建てたいと考えても、希望どおりに住宅ローンを使えないケースがあります。自宅と賃貸部分の割合や借入条件によって、想定以上に負担が大きくなるリスクもある点に注意しましょう。
ここでは、住宅ローンにまつわる注意点を基礎から整理していきます。事前にしっかり確認しておくことで、資金計画の失敗を防ぎましょう。
賃貸併用住宅は、居住用と賃貸用が同じ建物のなかにある特殊な住まいです。そのため、すべてを住宅ローンで借りられるとは限りません。
多くの金融機関では、建物全体の床面積のうち、自宅として使う部分が50％以上あることを住宅ローン適用の条件としています。 これは住宅ローンが「自分が住むための住宅」を対象とした商品だからです。自宅部分が半分に満たない場合、物件全体が投資目的とみなされてしまいます。
自宅部分が50％を下回ると、基本的に住宅ローンは利用できません。その場合、金利の高い投資用ローン(アパートローン)での借り入れとなります。 投資用ローンは住宅ローンと比べて金利が1〜2%程度高く、その分だけ返済負担が増加。毎月の返済額や総返済額に大きな差が出るため、計画段階で十分な注意が必要です。
住宅ローンが使える場合でも、いくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、特に押さえておきたい6つの注意点を見ていきましょう。
賃貸併用住宅では、住宅ローンが適用されるのは原則として自宅部分のみです。賃貸として貸し出す部分は「事業用」とみなされるため、住宅ローンの低金利での借り入れができません。
そのため、賃貸部分の工事費や設備費、内装費などは、より金利の高い事業用ローン、または自己資金でまかなうこととなります。 たとえば、建物全体の建築費が4,000万円で、自宅部分が50%の場合、住宅ローンで借りられるのは2,000万円まで。残りの2,000万円は別の手段で用意しなければなりません。
資金配分を誤ると自己負担が大きくふくらむため、計画段階からの慎重な検討が必須です。特に初めて賃貸併用住宅を建てる方は注意しましょう。
賃貸併用住宅で住宅ローンを利用する場合、借入上限は自宅として使う部分が基準となります。つまり、賃貸部分が広くなるほど自宅部分の割合が下がり、住宅ローンで借りられる金額が圧迫される、という形です。
その結果、次のような対応が必要になるケースも少なくありません。
希望の間取りや設備を実現するためには、事前に借入可能額を試算しておくことが非常に大切です。
賃貸併用住宅は、自宅部分に加えて賃貸部分も一体で建てるため、建築費がどうしても大きくなりがちです。そのため、自宅のみを建てる場合と比べると借入額が高額になり、返済期間も長期になりやすいことを理解しておかなければなりません。
たとえば、35年間という長期ローンを組んだ場合、その間にさまざまな変化が起こる可能性があります。
家計の収支が変動したときに返済が苦しくならないか、将来の収入減まで見すえた返済計画を立てておく必要があります。家賃収入に過度に依存しない返済プランを考えたいところです。
賃貸併用住宅で住宅ローンを申し込む場合、一般的な持ち家より審査基準が厳しくなる傾向があります。
賃貸併用住宅の場合、多くの金融機関では、通常の住宅ローン審査項目に加えて以下の点も確認します。
特に注意したいのが、賃貸部分の収益性です。家賃想定が甘いと判断されると、希望額まで借りられないケースもあります。
賃貸併用住宅への対応は金融機関によって大きく異なり、中には賃貸併用向けの住宅ローンを扱っていない金融機関も少なくありません。仮に金融機関から投資用ローンを案内されれば、住宅ローンとは金利や融資条件が大きく変わるため、返済負担が想定以上に増えてしまうのでご注意ください。
全国展開している都市銀行だけではなく、沖縄県内の地銀や信金、ネット銀行などもしっかりと比較し、より有利な選択肢を検討しましょう。
賃貸併用住宅の計画では、「家賃収入で返済の多くをまかなえる」という発想になりがちですが、次のような要素をスルーしてはいけません。
これらのリスクやコストも十分に考慮のうえ、現実的なキャッシュフローを試算することが大切です。家賃収入に頼り過ぎない返済計画（万が一の時には自己資金だけで返済できる計画）になっているかどうか、しっかりと検討しましょう。
賃貸併用住宅では、自宅部分が50％未満だと住宅ローンが使えない、賃貸部分には適用されない、借入額が高額になるなど、資金面のハードルが増えます。金融機関ごとの条件や審査基準、収益性を事前にシミュレーションし、専門家のアドバイスも受けながら、家賃収入に頼りすぎない返済計画を立てるようにしましょう。
賃貸併用住宅を建てた後、経営のサポートを受けたい方は、ご検討のうえ問い合わせてみてはいかがでしょうか。
このメディアでは、賃貸併用住宅に対する考え方や要望、建てた後の暮らしにあわせて、それぞれ適した沖縄の住宅会社を紹介しています。
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